カンボジアの教育について
概要
1. カンボジアで日本人が通う学校の種類
2. 学校までの交通手段
3. 塾事情
1. カンボジアで日本人が通う学校の種類
プノンペン、シェムリアップには、幼稚園~高校までを有する大型校から幼稚園のみの小型校まで、インターナショナル幼稚園が豊富にあります。運営母体はアメリカ系、イギリス系、フランス系、シンガポール系、ローカル系など様々です。2016年に、カンボジア教育省の協力のもとNGOが運営母体となり、カンボジアで初めて日本語で日本式教育を行うインターナショナルスクール(幼稚園~中学校までの一貫校)が開設されました。インターナショナル幼稚園では、園によって学費や使用言語、教育方針が異なるので、各家庭の教育方針や小学校以降の進路に合う学校を選びましょう。
1歳代から気軽に入園できる託児所も複数あり、週数回や日単位といった形で利用したり、ベビーシッターを兼ねたお手伝いさんを個人で雇ったり、幼い子どもの面倒をお願いする先の選択肢も多くあります。
日本人の子どもが通う小学校・中学校を大別すると、日本人学校・インターナショナルスクール・現地校の3つの選択肢があります。
現地校は、教室・教員不足などの様々な理由により日本と同等の教育水準を期待できないこと、保護者・子ども共にクメール語能力を要する点から、駐在員の子どもが通学しているケースは非常に少ないです。
現地学習塾運営者によると、駐在員の子どもの通学状況は、現状ではインターナショナルスクール:2 に対し日本人学校:1 程度の比率です。
2015年4月より、カンボジア日本人会の下、日本人学校(小学校・中学校)がプノンペンに設立されました。日本の文部科学省認可校であり、「学習指導要領」に従って授業が行われるため、日本の学校への編入もスムーズです。英語やクメール語などの外国語教育にも力を入れています。入学する場合、保護者は「カンボジア日本人会」の会員または賛助会員となる必要があります。
インターナショナルスクールは、アメリカ式、イギリス式の教育を採用する大型スクールを筆頭に、ローカル経営のものまで、プノンペンやシェムリアップに多数存在します。大型校の中には、国際バカロレア・スクールとして認可された学校もあります。
授業料や教育方針、校風は様々であるため、実際に見学し、一番子どもに合う学校を選択することが大切です。
2. 学校までの交通手段
カンボジアでは公共交通機関が発達していないことと、徒歩通学できるような歩道が整備されていないことから、スクールバスを利用するか、自家用車で送迎するのが一般的です。日本のように子ども1人で学校へ通学させることは一般的ではありません。
インターナショナル幼稚園、インターナショナルスクールの場合、スクールバスを運行しているところとそうでないところがあります。自家用車での送迎が困難な場合は、学校選定の際にスクールバスの有無をチェックするようにしましょう。
スクールバスを利用する場合は、保育料・学費とは別にスクールバス代を支払う必要があり、料金は学校によってばらつきがあります。
日本人学校の場合、保護者が中心となって結成されたバス委員会のもと、スクールバスが運行されています。希望者は学費とは別にスクールバス代を支払うことでバス通学が可能となります。スクールバスの運行経路は希望者の居住地等をもとに随時見直しがされます。スクールバスの料金は利用者数等を加味して決定されます。
3. 塾事情
インターナショナルスクールや現地校に通う生徒が、国語・算数をはじめとした学習に不安がある場合、現地の日本人会によって設立された「補習授業校」に通うケースが多いです。「補修授業校」は日本の教科書に従った学習ができるほか、総合学習の時間を通し、日本やカンボジアの文化に触れることも出来ます。運営は日本人会と保護者が中心となって行っており、授業は土曜日を中心に行われています。幼児、小学生、中学生が対象となります。
2015年にプノンペンに開設された日本式学習塾では、個別指導・集団授業に対応し、学校授業の補習のほか、日本帰国後の中学・高校受験の準備を目的とするコースを受けることもできます。併設の書道教室は、子どもの日本語離れを心配する保護者に人気を集めています。
また、小学校就学前の幼児に対して知育を行う幼児教室もあります。早期の日本語教育のほか、集中力や思考力を養う授業が行われています。